どの家庭にでも大抵はある行平鍋ですが、鍛金工房 WESTSIDE33の15cm、18cmの銅製の行平鍋と中村銅器製作所の21cmの行平鍋を使っています。
ちなみに、鍛金とは一枚の地金を金槌で叩いて締めることによって美しいフォルムを創ることをいいます。
行平鍋は、中程度の深さの片手鍋のことで通常汁の注ぎ口が付いています。
主に日本料理で使用され出汁を取ったり煮物を作ったりと万能鍋として使うことのできる行平鍋。その名前は、平安時代の歌人、在原業平の兄である行平が須磨で塩焼の海女と親しんだ故事に由来します。なのでもともとは塩を焼くのに用いられていた鍋ということになります。
行平鍋の素材は一番多いのがアルミ製、時々銅製のものが売られていますが、安価で熱伝導率の良いアルミが他の素材を圧倒しています。
行平鍋の表面の凹凸
行平鍋の表面には凹凸があります。鍋の表面に凹凸をつけることによって、強度が増すとともに、表面積が増えるため熱伝導がよくなります。
凹凸を付ける方法ですが機械打ちや手打ちの場合があり、鍛金工房 WESTSIDE33は手打ち、中村銅器製作所は機械打ちです。
鍛金工房 WESTSIDE33の行平鍋
鍛金工房 WESTSIDE33の行平鍋は15㎝と18cmの2種類持っていますが、18cmの行平鍋は出汁を取ったり味噌汁なんかを作る際に使っています。15㎝の行平鍋は野菜の下茹や煮物をごく少量作るときなどに使います。鍛金工房 WESTSIDE33は、寺地茂さんが立ち上げたお店で京都府京都市東山区にあります。
購入したのは2014年で、当時の価格は、
銅製の行平鍋(18cm)が14,800円、
銅製の行平鍋(15cm)が12,100円
卵焼き器(小)が8,300円
吊り下げ金具を付ける場合はプラス500円
でした。
手打ちの銅鍋としては当時比較的購入しやすい価格だなって思ってこの鍋に決めました。
現行の価格(2018.10時点)
銅製の行平鍋(18cm)が16,300円
銅製の行平鍋(15cm)が13,300円
卵焼き器(小)9,100円
京都府京都市東山区で購入できるほか、京都生活というネットショップでも販売されています。この職人に作ってほしいといった人はほとんどいないとは思いますが、京都生活のサイトに以下のような注意書きがありました。
【職人さんにつきまして】 鍛金工房WESTSIDE33の商品は、責任者の寺地茂監督のもと、商品ごとに様々な職人により作られております。
製作を担当する職人の指名はお受けしておりませんが、いずれの商品も職人が自信を持ってお作りしておりますので、安心してご注文頂ければと思います。 (京都生活ウェブサイトより引用)
鍛金工房WESTSIDE33の行平鍋ですが鍋の厚みは1.2㎜と薄いため重量もそんなに重くなく使い勝手が良いです。
銅製の行平鍋はステンレス製の鍋と比べると熱伝導がよいことから、鍋全体に均一に熱が伝わりやすく加熱ムラが生じにくいこともあって、煮物などの調理には重宝します。また、野菜が色鮮やかに仕上がるというところも気に入っています。
一方、デメリットとしては、銅は酸やアルカリに強くありまんせんので、料理が出来上がったら、早めに別の容器に移す必要があることです。急性銅中毒などになる恐れもあるかもしれないので、酸の強い料理をずっと放置するというのは危険です。
また、鍋の中には錫が引いてあります。錫は融点が約232度です。空焚きすると錫が融け出してしまいますので注意する必要があります。
鍛金工房 WESTSIDE33の行平鍋 15cm |
銅鍋のメンテナンス
銅鍋のメンテナンスですが、銅は湿気に弱いので長期間放置しておくと緑青がでることがあります。また、使っているうちに汚れや酸化皮膜ができたりして色がくすんできますが酸化被膜は緑青を防ぐ働きがあります。料理店で飾っているようにピカピカにしたい場合は、塩と酢、もしくはレモン汁で磨くと良いのです。買ってすぐころは試しに磨いていたものの、誰かに見せるためのものでもないですしその後はあまり磨いていません。
行平鍋は頻繁に使用する鍋なので、ほったらかしたままみたいなこともないでしょうし、そんなにメンテナンスで気を遣うといったことはありませんが、万一、緑青の出てしまった場合は、クレンザーをつけてこすれば落とすことができます。