毛布の選び方 カシミヤ毛布の使用感

毛布の素材といえばアクリルが定番ですが少し前からカシミヤ毛布を使っています。サイズは190cm×140cm。定番の西川ではなくスコットランド製でジョンストンズ(Johnstons)というメーカーの毛布です。ジョンストンズは毛布よりストールで日本では有名ですね。

カシミヤ毛布を購入したきっかけ

定番のアクリル毛布や化繊系のマイクロファイバーはどうしても蒸れてべたつく感じがあってそれが嫌なこともあり、数年前からウールかカシミヤの毛布を探していました。その他の候補としてはキャメル、ヤク、シルク、綿などの毛布を検討しましたが保温性と吸湿性の観点でみるとカシミヤが優れているということで、カシミヤの毛布を購入しました。

カシミヤの毛布は保温性や吸湿性が高い一方で品質が悪いと毛玉が酷く毛は抜けて普段使いできないなんて場合もあるようです。なのである程度定評のあるメーカーのものから選ぶことに。カシミヤ製品では日本でも定番のメーカーの1つになりますがスコットランド製でジョンストンズにしました。日本製だと西川とかニッケとか三井毛織になりますが総じて日本製は重たいものが多い印象があります。イタリア製だとロロピアーナやブルネロクチネリなどがブランケットを販売していますが、どうしても撚りが甘い感じがして耐久性の乏しいカシミヤなのにそれだと更に耐久性が落ちてしまう(風合いはよくなります)イメージがあったのとかなり高価なこともあり購入対象から外れました。余裕があれば毎年こういうのを使ってもい良いかもしれませんね。

ジョンストンズの毛布ですが、セールでかなり安価になっていて2枚で11万円くらい。1枚あたり幅はストールの2倍なのにストールの定価よりも安価ということでお得感がありました。

カシミヤ毛布の特徴

私はエアコンの音が苦手で冬でもエアコンをあまり使いません。そういう訳でカシミヤの毛布を使っています。毛布のサイズは190cm×140cm。ジョンストンズのカシミヤのストールの幅が大体70cmなんだけどそれを倍の幅にしたような感じの薄手のものをイメージしていただければなんとなくわかると思います。それに寝具だけではなくいろいろな場面で使えるので便利です。

カシミヤの毛布デメリットですが、耐久性がない素材なので摩擦によって毛玉ができること。布団の中に入れて使う場合、手入れせずに放っておくと使い古したフェルト地のカシミヤのマフラーみたいになるので、長く使いたい場合や見た目も大切にしたい場合は布団を上からくるむような使い方のほうが良いかもしれません。ただ、この方法はカシミヤの軽さを活かすことはできますが、風合いの良さがあまり活かせないのが残念なところです。

見た目は重視しないって場合には羽毛布団の中に入れて使えば良く、風合いも良く保温性も高いので最も快適です。

カシミヤには品質差がかなりあります。私の買ったものはそこまで酷くはないけど、ものによっては、毛玉ができたり毛がいろんなところに飛び散ったりする場合もあるので低品質のものだと使い物になりません。カシミヤの原毛の品質が低いことや糸の撚り、織り方なんかの問題なんだけど、安価なカシミヤは原毛の品質が低いことが多いので完成品になったときの品質もそれなりだということには注意が必要です。

カシミヤの毛布、ちゃんと手入れできるんだったら使ってみてもいいんじゃないかとお勧めしたいところなのですが、例えば、夫婦で別に使う場合を考えると2枚必要で、上質なものだと10万円~20万円くらいはします。

なので、合理的に考えるなら毛布を使わずにエアコンで空調を整えたほうが寝具自体も軽くて済むことから、特にエアコンをつけるのが嫌って人じゃなければ、冬はエアコンで室温を調整することをお勧めします。

私の場合は、羽毛布団の上にカシミヤのブランケットを掛けて使っています。くるむような感じで使っていて、羽毛布団がめくれて空気の移流を防ぐような意味合いも持たしています。

普段のメンテナンスは週に1~2回のブラッシング。ブラッシングにはイシカワの馬の尾脇毛を手植えしたブラシを使っています。イシカワのブラシですが「イシカワの洋服ブラシと平野の洋服ブラシの使用感の違い」で紹介していますので興味があればご覧ください。

アクリルの2枚合わせ毛布の使用感

昔使っていたアクリルの毛布の使用感も比較のために書いておきます。

アクリルの2枚合わせ毛布、普段使う分には少し重いなと思うくらいで、毛玉もできないしので、そんなに気になることなくこれまで過ごしてきました。ただ、体調が悪い日だったりストレスが溜まってたりすると、睡眠中に汗をかいたりするので、そのときの感触がとても悪いのが欠点といえば欠点。体調が悪くべたついた毛布のなかで動きにくいなんてことは嫌ですよね。また静電気も起こりやすいので、これも時々ですが気になっていました。

蒸れるのを防ぐために、羽毛布団の上に乗せたらいいって話もありますが、流石にアクリルの2枚合わせ毛布はシングルで2kg以上あるので、羽毛布団の空気の層をつぶしてしまうので羽毛布団の上に乗せるのはやめた方がよさそう。

ちなみに子供のころはアクリル毛布の上に綿の布団をかけて寝てました。今では重たくて嫌だけど、当時は別に嫌と思ったことはなかったですね。

アクリル毛布の上に綿の掛け布団という組み合わせですがかなりの重量になります。「重いほうが暖かく感じる」という考えもわからないではないけど限度というものがあるし、綿の掛け布団とアクリル毛布を併用するくらいなら、エアコンで室温を適温に整えたほうが良いと思っています。

毛布の選び方

一般的な毛布の素材の説明の後にカシミヤ毛布の価格や品質、選び方について書いています。

毛布の素材

毛布の素材から。一般的に使われているアクリルのほかにもいろいろな素材があります。アクリルも含めて以下のような素材が使われています。
  • アクリルなどの化繊。
  • 綿
  • ウール
  • カシミヤ
  • キャメル
  • ヤク
  • アルパカ
  • ビクーニャ
ヤクはウシ科でビクーニャとアルパカはラクダ科の動物です。よくわからないって場合は、ヤク、アルパカは近くにこだわりを持った品ぞろえをしている布団専門店や百貨店がにある場合以外は手にとって選べるお店がほとんどないと思うので候補から除外しても構わないと思います。
全然知らない素材をネットで購入するのはあまりお勧めしません。

お勧めの毛布の素材はウール、キャメル、カシミヤ

毛布に適した素材は簡単に言えば、保温性、吸湿、発散性が高く風合いの良い素材です。それに加えて毛布にしたときの「扱いやすさ」と「重量」も重要です。
それぞれについてみていくと次のとおりです。

保温性の高さ

毛布の目的は保温です。快適で保温性の高い素材が良い素材ということになります。
保温性の高い素材は、空気をうまく抱え込んでくれる素材です。「空気」は動かなければ断熱効果が高いからです。

吸湿、発散性の高さ

人は汗をかくので、それを上手に吸収してくれたり、発散してくれたりする素材が好ましいということになります。

風合いの良さ

更に肌触りのよい素材、例えばチクチクしたりする素材よりはふわふわとした素材が好まれます。

熱の移動・伝達の仕組み

断熱を考えるとき、熱の移動・伝達がどうやった起こるのか知っておくと理解しやすいです。この手の話が嫌いな場合は読み飛ばしてください。
熱が逃げないようにすればよいわけですが、熱の移動・伝達は次の3つによって起こります。
  • 熱伝導
  • 移流(対流)
  • 熱放射
熱伝導ですが、物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる移動現象で、「銅はよく熱が伝わるよね。」って話です。固体は熱が伝わりやすく気体は伝わりにくいです。
移流ですが、例えば空気が動くことによって熱が伝達されるって話です。
熱放射は例えばハロゲンヒーターが身近な例で熱が電磁波として運ばれるって話です。

毛布選びに必要な素材に関する基礎知識

ここまで毛布に必要な性質を考えてきましたが、毛布の素材について考えていきたいと思います。

私はキャメルとカシミヤで悩みましたが風合いの良いカシミヤを選びました。
さわったときの感触を一言でいえば、キャメルはさらっとした感じ、カシミヤはしっとりした柔らかい感じです。ウールやキャメルは品質が少し劣ったものだとチクチクするなど風合いに難があると感じる場合があるかもしれません。そのあたりは手に取ってちゃんと確認すべきところですね。

それぞれの素材の特徴について簡単にまとめると以下のようになります。

アクリル

選択肢として1番にあがるのは化繊のアクリルの毛布。上述した通り重たい上に蒸れるのが欠点。我慢できないとは思わないけど、予算に余裕があれば他の素材にしたほうがいいのかなって思います。良い点は、天然繊維と比べて安定性があるところ。毛玉ができて酷いことになったとか虫食いにあったみたいなことが少ないので扱いやすいです。

ウール

ウールは化繊に乏しい吸湿性・発散性があるのが良い点です。また、保温性にも優れています。天然繊維ではウールをベースに検討するのが良いです。

キャメル

キャメルは、保温性、吸湿・発散性がウールに勝ります。価格はウールより高価です。ものによってはチクチクしたり硬いと感じることがあります。毛布ではないけど、キャメルの毛を詰めた敷きパッドを使ってて、「イワタの敷きパッドを使ってみた感想~敷きパッドの選び方~」で紹介しています。ただ、敷布団で使われているキャメルの毛と毛布で使われるキャメルの毛は同じキャメルの毛でも違ったタイプになります。

カシミヤ

カシミヤは、ウール同様吸湿性・発散性に優れている上、保温性、風合いがウールに勝りますが、耐久性は劣ります。価格はウールより高価です。

最も高価な天然繊維ビクーニャ(vicugna)

その他、最高級なものを使いたいという場合は素材はビクーニャにすれば間違いがないと思います。ビクーニャは最も高価な天然繊維と言われています。2000年代に、原毛のレベルでkgあたりの価格が4~5万円くらい。糸になると10万円くらいと言われていました。

神々の繊維と呼ばれかつてはインカ皇帝だけが使用してたと言われるビクーニャは、天然繊維のなかで最も繊維の径が小さくそして希少なこともあり最も高価な繊維として取引されています。それにワシントン条約でも取引が制限されています。

よく雑誌に掲載されてるのはロロピアーナ(Loro Piana)ではないでしょうか。
ロロピアーナのビクーニャのブランケット。サイズ200cm×150cmで1,506,000円になります。(2018年10月時点)

ビクーニャについては、「最も高価な天然繊維ビクーニャ(vicugna)」に詳しく書いています。

カシミヤ毛布の選び方

ここからはカシミヤ毛布に特化して品質と選び方、価格帯などについて解説しています。

カシミヤの品質

カシミヤの原毛の産地と品質ですが、
カシミヤの原毛の繊維径は13.5μm~19.0μmくらいです。
長いもので50mm、平均する20mm~40mmくらい。
産地としては、中国内モンゴル自治区から高品質の原毛が産出されます。
  • 長さが平均34mm以上あって直径が平均14.5μmくらいのものだと高級品。
  • 原毛は白度が高いほど高価。
  • 先染めと後染めでは先染めのほうが高価。
  • 撚りの強さによって風合いに違いがでる。
  • 紡毛と梳毛で風合いが異なる。梳毛のほうが風合いは良い。
といわれています。

詳細は、「カシミヤの選び方 John Laingの手袋とジョンストンズのマフラー」で解説していますので併せてご覧ください。

短い毛をつかった撚りの甘い糸は、上述したとおり毛玉や毛が飛び散る原因になるので、カシミヤだからといって安易に選ぶと失敗します。原毛や糸の品質には必ず気を配る必要があり風合いだけで選ぶのはあまり賢い選び方とはいえません。

カシミヤ毛布の品質

毛布を選ぶ場合はカシミヤやカシミヤの糸の品質の他に、その毛布がどうやってできているのか(織られているのか)ということにも気を配る必要があります。

具体的には下記で、組成とか仕様で書いてあるような項目です。例えば毛布のどの部分にカシミヤが使われていて、どの部分が他の素材なのかといったことです。カシミヤ100%(毛羽部分)といった表示だとヨコ糸(毛羽部分)以外はカシミヤではないことになります。あたりまえですが、ウールや化繊が入ると保温力は低下します。
梳毛の糸で編まれたニット地だとそういった心配はないですが、所謂毛布らしい毛布を選ぶ際には気を付ける必要があります。

重量については大抵の場合、記載がありませんでしたのでよく確認する必要があります。カシミヤは重たいほど価値があるといったセールストークがある一方で、軽くても保温性があるカシミヤというようなセールストークがあるため、混乱しやすいかもしれません。
私は軽いものが好きなので1kgを下回るもので探しました。

基本的な考え方は、「同じ品質の場合、重量があるほど原価と保温性が上がる」、「同じ重量の場合品質の良いカシミヤのほうが高い保温性がある。なので同じ保温性を求めようとすると軽く作ることができる」ということになります。

そのあたりの考え方は羽毛布団における羽毛や羽毛の充填量を選ぶときの考え方と同じではないかと思います。

まともなメーカーなら必要な保温性を考慮した上でバランスの良い製品を作っているはずですが、価格を重視するあまりバランスの悪い商品もあるかもしれませんので、そのあたりは実際に手に取って比較してみると良いです。文字や写真だけで選ぶと失敗します。

カシミヤ毛布の価格

カシミヤの毛布の代表的なメーカーの価格帯を調べてみました。
代表的メーカーということで選んだだけで、ここに記載したメーカーをお勧めしているというわけでもありません。

Loro Pianaはウェブサイトのオンラインショップの表示価格。
昭和西川と京都西川は税別価格です。

同じメーカーで大量に商品をラインナップしている上、価格差がかなりある場合もあるので、品質についてどういった違いがあるのかよく確認する必要があります。
何故たくさんのラインナップが必要なのか理由はよくわかりません。

下記の価格を見ればわかりますが高額です。
繰り返しになりますが、冬はエアコンがあれば毛布は必要ないので、室温をちゃんとコントロールするのが一番で、耐久性のないカシミヤを数年毎に買い替えるよりも、エアコンを使ったほうが良いと思います。余程のエアコン嫌いではなければですが。

寝具以外の用途で、ちょっと寒いときに使うみたいな感じであればブランケットやストールで良い気がするので、本格的な毛布みたいなものは、もしかしたらそんなに需要がないかもしれませんね。

Loro Piana

Unito 227,000円
サイズ: 200 x 150 cm
素材: 100% カシミヤ
Made in Italy

Gessato 334,000円
ベビーカシミヤ
Made in Italy

Melville 302,000円
サイズ: 200x150 cm
素材: カシミヤ
Made in Italy

詳細はLoro Piana又は取り扱い店でご確認ください。

昭和西川

カシミヤニットブランケット/フェリス 170,000円
サイズ:150×210cm
組成:カシミヤ100%
カラー:ブラウン/グレー
生産国:モンゴル製

カシミヤニットブランケット/ドルチェ 100,000円
サイズ:150×210cm
組成:カシミヤ100%
カラー:レッド/グレー/ベージュ
生産国:モンゴル製

カシミヤブランケット 150,000円
サイズ:180×210㎝
カシミヤ100% たて糸、よこ糸ともに、カシミヤの糸
サイズ:150×210cm
カラー:ブラウン
※日本製

詳細は西川ストアONLINE又は取り扱い店でご確認ください。

京都西川

品番 CSH5067 50,000円
ベージュ
組成 ヨコ糸(毛羽部分):カシミヤ100% タテ糸:ポリエステル100%
仕様 両面毛刈・四方トリコットへム
サイズ 140×200cm

品番 CSH8065 80,000円
ベージュ
組成 ヨコ糸(毛羽部分):カシミヤ100% タテ糸:ウール100%
仕様 両面毛刈・四方ヘムレス
サイズ 140×200cm

品番 CSH10015 140×200cm 100,000円 180×210cm 140,000円
ベージュ
組成 ヨコ糸(毛羽部分):カシミヤ100% タテ糸:ウール100%
仕様 両面ハイカット・エリヘムレス

品番 CSH10010 100,000円 ベージュ
組成 カシミヤ100%
仕様 両面毛刈
サイズ 140×200cm

品番 CSH10017 100,000円 ベージュ
組成 カシミヤ100%
仕様 両面毛刈
サイズ 140×200cm

品番 CSH15054 150,000円 ベージュ
組成 カシミヤ100%
仕様 両面毛刈
サイズ 150×210cm

品番 CSH20708 200,000円 ベージュ
組成 カシミヤ100%
仕様 両面アザミ起毛
サイズ 150×210cm

品番 CSH30707 300,000円 ベージュ
組成 カシミヤ100%
仕様 両面アザミ起毛
サイズ 150×210cm

品番 CSH-120000 80,000円  ネイビー・レッド・ブラウン・アイボリー
組成 カシミヤ100%(ホワイトカシミヤ)
サイズ 150×210cm

品番 CSH-10003 100,000円 ピンク・ベージュ
アザミ起毛
組成 カシミヤ100%
サイズ 150×210cm

品番 CSH-15000 150,000円 ピンク・ブルー
アザミ起毛
組成 カシミヤ100%
サイズ 150×210cm

京都西川又は取り扱い店でご確認ください。

※価格は執筆時点での価格

その他、下記にリンクを貼っていますが、日本ではニッケ商事や三井毛織などが扱っています。海外のメーカーについては日本で手に入れやすいロロピアーナしか記載していませんが、調べればいろいろあります。

参考

  1. 羽毛布団の選び方 ポーランド産グースの羽毛布団を購入したときの話
  2. 布団派 ベット派 選び方のポイント
  3. 馬毛枕 枕選びのポイントと馬毛で作る簡単自作枕
  4. イワタの敷きパッドを使ってみた感想~敷きパッドの選び方~
  5. bodydoctorのマットレスを購入したときの話
  6. Alexandre Turpaultのピロケース ベッドリネンの選び方
  7. ベッドの選び方 木製ベッドを選ぶときに大切な木材についての知識 ~無垢板、突板、プリント合板の違い~
  8. 寝具のメンテナンスと使っている寝具の紹介
  9. 夏にだけ使う寝具(麻の汗取りパッド)
  10. 合い掛けの羽毛布団が活躍する季節
  11. 自作枕の高さ調整 馬毛枕の場合
  12. 寝具での寝汗対策



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