イワタ キャメル敷きパッドを使ってみた感想 敷きパッドの選び方

敷きパッドはIWATAのキャメル敷きパッドを使っています。
綿、麻、ウール、キャメル、ウレタン、合繊などいろんな素材が使われていますがそのなかから検討して選んだのがフタコブラクダの毛であるキャメル。

イワタの敷きパッドに使われているキャメル

IWATAの敷きパッドにはモンゴルに生息するフタコブラクダの毛が使われています。詰め物なので20cm以上の長毛と柔毛のブレンドになります。
洋服とは違って太く長い毛も使われていて、メーカーのウェブサイトには「キャメルの太くて長い毛には体の重さを四方に分散さ支える優れた力がある。」とあります。

他にも、キャメルには優れた特徴がいろいろあって、保温性、吸湿性、発散性、耐久性(羊毛のようにスケールがなくフェルト化しにくい)が高いことが特徴。

キャメルヘアーが多孔質繊維なので、吸湿性、発散性は確かにあるように思うけど、どのくらいっていう定量的な話はよくわりません。実際使ってみた使用感としてはウールの敷布団と比較してさっぱりしてそこそこ暖かいので、吸湿性、発散性、保温性は高いのかなと思いました。

体圧の分散性ですがこのあたりはマットレスが担う役割なのかなって思ってたりします。なので単なる敷布団として使うと私の場合は硬くてこれ1枚では絶対無理だと思いました。
メーカーとしてもそういった使い方は考えいないみたいで、敷布団やマットレスの上で使ってくださいとメーカーのウェブサイトには書かれています。

もう少しウェブサイトに科学的な根拠みたいなものとかキャメルヘアーのデータみたいなのを充実させてくれたらいいのにって思ってしまいました。

イワタのキャメル敷きパッドの特徴と感想

上述したとおり、キャメルの毛は吸湿性と発散性に優れていてそんなキャメルの毛を詰めたこの敷きパッドは蒸れにくいことが売り。冬でも時々寝汗で体が冷え体調が悪化することの多かった私にとってこの敷きパッドはとてもありがたかったです。
繰り返しになるけどキャメルの毛は羊毛と違ってスケールがないので毛が絡み合わずフェルト化しにくいので、へたりにくく羊毛よりも耐久性があるといった点も良いところです。

更に、この敷きパッドはエコテックスの認証を受けている製品なので衛生面にも優れています。

寝心地は一言でいえば安定感がある感じ。フワッとして柔らかい羊毛の敷きパッドとは全然違います。私が購入したものはシングルで詰め物が4.0kg入っているタイプなんだけど、3.0kgと比べるとクッション性が増すというよりは、ホールド感が増す感じです。ウッドスプリングとラテックスのマットレスと一緒に使ってるんだけど敷きパッドが硬めでもマットレスやウッドスプリングに弾力性があるので相性がよく、お互いの欠点を補完していて快適な寝心地です。

羊毛の敷きパッドとの比較

よりクッション性が欲しいという人には羊毛をお勧めします。ふわっとしたクッション性のある敷きパッドが欲しいという人が、キャメルの敷きパッドを購入すると落胆することになるかもしれません。私の家でも旦那と子供は羊毛の少し厚めの敷きパッドを使っています。この羊毛の敷きパッドは片側がトリコットになってて、それが中の羊毛のクッション性と相まって、ふんわりとした柔らかいマシュマロのような寝心地です。耐久性はキャメルの敷きパッドよりも劣るんだけど、価格はキャメルの敷きパッドよりお手頃です。

方向性が全然違うのでこのあたりはマットレスとの組み合わせや自分の体形、体質なんかとも相談しながら選ぶことになるんだろうなと思っています。

実際に試してみると寝心地の違いがはっきりと体感できます。

敷きパッドの役割


マットレスを使っている場合における敷きパッドの役割って何だろうと考えたとき、マットレスが汚れないようにする、なんていうことはそこまで重要ではなくて、一番大切なことはやっぱり吸湿性であったり発散性であったりするんじゃないかなと思っています。じめっとした寝具は気持ちが悪いし不衛生だしそんな素材を使いたいと思わないのが自然なんじゃないかなと。

マットレスだけで寝てるという人も勿論いて、確かにマットレスの一部の層にウールや麻なんかが使われている製品もあって、これだけでOKみたいな印象も受けないことはないけど、ポケットコイルだと分解できないものが多いし、それだと洗濯やクリーニングができないので、メンテナンス面では不便なように思います。ラテックスのマットレスでカバーを洗濯したりクリーニングできたりするものもあるけど、そこまでウールや麻なんかの量があるわけではなくて、これはこれで少し心もとない感じがしています。

なのでマットレスで体の耐圧分散をそしてマットレスの機能として乏しい吸湿性みたいなものを敷きパッドがちゃんと補完するというのが理想の寝具なんじゃないかなということで、IWATAのキャメル敷きパッドを使っています。

キャメルヘアの特徴

キャメルヘアと呼ばれているものは原則フタコブラクダ(二瘤駱駝)の毛です。フタコブラクダ(二瘤駱駝)は中央アジアの砂漠地帯に生息しています。主な生産国は中国、モンゴルなど。
刺毛の下の細く柔らかい繊維は、衣料品や毛布などの寝具として使われます。春の終わりから初夏にかけてキャメルの毛が抜け落ちる時期があり、それを採取します。1頭の駱駝から採取できるのは年間8キロ程。カシミヤやビクーニャは数百グラムしか採取できないので1頭から採取量はキャメルヘアーのほうがずっと多いです。
勿論、採取した毛を全部使えるわけではなくって、紡績用の原料として使えるものになると半分以下になっちゃいます。

製造工程


製造工程ですが、カシミヤなどと同じです。採取、選別、洗浄、製毛、紡績を経て織物になります。カシミヤとの違いですが、キャメルヘアは染色には向いていないのでほとんどの場合染色されないってことです。

毛の特徴

毛の特徴ですがキャメル100%のオーバーコート用の生地を触ったときには、サラッとしてさっぱりした印象を受けました。悪く言えばカシミヤよりはゴワゴワしてるとも言えます。
そのあたりは好みの問題のレベルでゴワゴワ感も実用上は気になるレベルではなくってあくまでもカシミヤと比較しての話です。

繊維の直径は細いものであれば16μm~21μmと一般的なウールよりも細いです。あたりまえですが細い繊維ほどグレードが高く高値で取引されます。
キャメルヘアーですが、衣料品ではオーバーコートで使われています。イギリスの古くからある生地屋さんのオーバーコート用の生地。切り売りで着分7~8万円くらいだった気がします。為替レートにもよるのであくまでも価格は参考程度です。

衣料品にする場合、風合いや価格面でのバランスなどを考慮してキャメル100%ではなくて羊毛などの他の毛と混紡する場合も多いです。

参考

  1. 羽毛布団の選び方 ポーランド産グースの羽毛布団を購入したときの話
  2. 布団派 ベット派 選び方のポイント
  3. 馬毛枕 枕選びのポイントと馬毛で作る簡単自作枕
  4. bodydoctorのマットレスを購入したときの話
  5. Alexandre Turpaultのピロケース ベッドリネンの選び方
  6. 毛布の選び方 カシミヤ毛布の特徴と使用感 お勧め毛布素材
  7. ベッドの選び方 木製ベッドを選ぶときに大切な木材についての知識 ~無垢板、突板、プリント合板の違い~
  8. 寝具のメンテナンスと使っている寝具の紹介
  9. 夏にだけ使う寝具(麻の汗取りパッド)
  10. 合い掛けの羽毛布団が活躍する季節
  11. 自作枕の高さ調整 馬毛枕の場合
  12. 寝具での寝汗対策