自作枕の作り方 自作枕の素材選びと高さ調整などのメンテナンス方法

自作枕を馬毛で作ったときの話を「馬毛枕 枕選びのポイントと馬毛で作る簡単自作枕」で書きました。

自作枕ですが使っているうちに馬毛に癖がついたため高さや密度を再調整しましたので、今回はその時の際の話を書いています。
初めて作る場合は1~2週間くらい使ってみた後に1~2回程度調整をすると良いと思います。

まず馴染がほとんどないと思われる自作枕の素材としての馬毛について解説した後、高さの調整方法について書きました。

自作枕の素材選び

自作できるくらいなので、簡単にメンテナンスできることが特徴の1つだといえる自作枕ですが、馬毛を使った自作枕がネット上で紹介されているのを見たことがありません。

自作枕の素材では、タオルなどの綿を使ったものが主流で、時々ウレタンをカットしたもや蕎麦殻、パイプが紹介されています。ただ、タオル系などの綿はウールや馬毛よりも放湿性やクッション性で劣りますし、ウレタンやパイプも耐久性、吸湿性、放湿性で馬毛に劣ります。蕎麦殻は耐久性、安全性、害虫などの問題があるようです。

優れた素材としてはウールがあげられます。馬毛との違いは耐久性でウールの場合は数年でへたってしまうと言われていますが、交換すれば良く、弾力性、吸湿性、発散性などに優れておりかつ入手も比較的容易で馬毛よりも安価なこともありこちらもお勧めです。

残念ながら、調整することで快適に長く使用可能な素材である馬毛の枕は日本ではほとんど売られていなかたり、売られていても購入しにくい価格設定になっています。

自作することによって、既製品を購入する場合と比較して費用面でメリットがありますので馬毛は自作枕にかなり合った素材といえるかもしれません。

自作枕のクッション材としての馬毛の構造

馬毛というのは、採取された段階では直毛です。クッション材として使用する場合には、直毛の毛を曲げてやる必要があります。
自分でそうした作業をやる必要はなくクッション材としての加工をしたものが売られています。

クッション材用に加工された馬毛は三次元状に複雑に絡み合った構造をしています。よくわからないって場合は、新幹線の座席シートなどでも使用しているクッション材にブレスエアーっていう素材があるのですが、そうした素材と同じような形状をしていると思っていただれば良いと思います。「ブレスエアー」で画像検索すれば形状についてのイメージをつかめます。

ウールなどの素材だとフェルト化など劣化するまでの期間が数年程度と言われていますが、馬毛の場合は10年以上は楽に使えます。なので馬毛枕は自作枕の素材にぴったりですし、獣毛ならでわの吸湿性、放湿性にも富んでいます。使用時にカサカサと音がしますので、そうした音が気になりそうならウールがおすすめですが、そうでなければ長期間使える馬毛が枕の素材にはぴったりだと言えます。

自作枕の素材 馬毛
自作枕の素材 馬毛
三次元状に複雑に絡み合った構造をしているクッション材としての馬毛

自作枕では最適な高さを掴むことが大切 

前彎した頸椎の隙間を身近にある適当な高さのもので補い、首の形を整えて頭を支えることが枕の目的なのですが人によって最適な弾力や高さが異なります。

自作枕を使う場合には、最適な高さを知っておくことが重要です。オーダーメイドなどではいろんな機器を使って計測するようですが、自宅と違うマットレスや敷きパッドで測った数値にどこまで意味があるのかは微妙なところかもしれません。

そうして測った高さを知ることよりも、枕の役割であったり機能を理解した上で、自分にとっての心地よい高さになったときの感覚を掴んでおくことのほうが重要です。既製品でもオーダーメイドでも自作枕でも、その枕がぴったりかどうかという感覚を自分で掴み判断できる必要があります。

調整した後には、首にや肩の一部が圧迫され負荷がかかり過ぎていないか、寝返りが打ちやすいかどうか、息がしやすいかどうか、枕が高くなりすぎていないかといったことをチェックしてください。最適な高さの枕は睡眠を妨げず気持ち良いものです。気持ち悪かったり痛みがでるのであれば何か問題があるということになります。

いろいろ書くと自作枕は調整がめんどくさいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが調整自体は簡単です。既製品でも合わないなぁと思ったときは調整が必要ですので、そういう意味では同じです。

自作枕の高さ調整とメンテナンス

自作枕ですが何週間か使っていると癖がつきました。私が購入したクッション材用に加工された馬毛は購入した時点では一定の負荷がそこまで掛けられていない状態なので癖があまりついていませんでした。

自作枕の高さ調整

完成品として販売されているもので完成度がとても高いものだと、そのあたりのことも考慮して作られているのかもしれませんが、自作枕の場合そのあたりの調整を自分でする必要があります。でも簡単です。

調整ですが高さと密度を調整します。
基本的に以下の2点を考えてやればOKです。
  • 厚みを加えて高さを出そうとすると、薄く重ねていってやればかさが増します。
  • たくさん入れてることによって密度が増します。
高さが少し減り、密度が増す感じですね。そうなったときに、馬毛を何層か足してやることで高さを調整してやる必要がでてくるわけです。

作業としては、新しく馬毛を追加してやるのですが、追加する際に薄く広げて上に重ねる感じで枕ケースにいれてやることで嵩を自然に高くすることができます。

自作枕のメンテナンス

メンテナンスですがピロケースを使うことで枕ケースの汚れを防ぐことができます。ピロケースは最低でも2,3日に1度洗濯します。時々、枕ケースも洗濯します。洗濯時は馬毛を取り出してやることで、枕ケースを洗濯することが可能です。癖がついて絡み合っているので馬毛は簡単に取り出せます。ベッドの上でやると毛の屑がベッドの中に入り込むので、短い毛などが落ちてもよい場所でケースから取り出すと良いです。

自作枕の高さ調整は5分くらいで可能

高さなどの調整に必要な時間ですが5分くらいあればできる作業です。
調整後は、自作枕と作った時と同様、自分の寝具で高さがあっているかどうかを試すだけです。5分と書きましたが、高さを調整してフィッティングを確かめるまでに1回あたり5分くらいかかるということで、これを何度も繰り返す場合は5分では勿論できませんが、好みがわかっていたら1回~2回でフィットするのではないかと思います。

私の場合は、そうした調整を行うことによって初め作った時よりもうまくフィットするようになりました。これは私はある程度弾力性があるもののほうが好みであることとも関係していると思いますが、作業に慣れてきたということもあるのかもしれませんね。

既製枕が合わない人は自作枕がお勧め

既製品の枕を購入した場合、買ったけど合わないから駄目だなってことになると、どうしても調整してみようという発想になり難いのではないかと思います。そうすると無駄な消費になってしまいます。オーダーメイドだと調整してくれるのですが、その場で確かめることが難しく、一度自宅に戻って自分の寝具でフィット感を確認しないといけないということが欠点だったりします。

自作枕は自分で作っていることもあり、高さや密度は自分でどうにでも調整できるので、素材として合わないといったような素材の選定自体に誤りがない限り失敗したってことにはなりません。

初めて作るときに、「枕」とはどういうものか、どんな枕が良いのかみたいなことを調べる必要があるのですが、ネットや本で調べれば簡単にわかります。本を購入するお金が勿体なければ図書館で借りてくれば無料で理解できます。

前の記事にも書きましたが、あまりにも厳密に高さを気にしても正直そこまでの違いはないような気はしています。これは既製品でも言えることですね。
使っている際に、体に馴染んで意識せずに使えるものになれば一番良いわけですが、あまり気にしすぎると、逆に訳が分からなくなります。

自作枕の場合は、体に悪影響がでるほど変なものは、作る前にちゃんと調べて、フィッティングを確認しながら作った場合にはできないと思うので、そんなに心配する必要はないように思っています。
自然に使ってみるということも頭の隅に置いていたほうが気楽に自作枕を楽しむことができると思います。

自作枕の作成費用

枕ケース   1個 1,500円
馬毛      800g  9,000円
※端数切捨て 送料等は含まず

参考

  1. 羽毛布団の選び方 ポーランド産グースの羽毛布団を購入したときの話
  2. 布団派 ベット派 選び方のポイント
  3. 馬毛枕 枕選びのポイントと馬毛で作る簡単自作枕
  4. イワタの敷きパッドを使ってみた感想~敷きパッドの選び方~
  5. bodydoctorのマットレスを購入したときの話
  6. Alexandre Turpaultのピロケース ベッドリネンの選び方
  7. カシミヤ毛布 毛布の選び方と使用感 アクリル毛布との比較
  8. ベッドの選び方 木製ベッドを選ぶときに大切な木材についての知識 ~無垢板、突板、プリント合板の違い~
  9. 寝具のメンテナンスと使っている寝具の紹介
  10. 夏にだけ使う寝具(麻の汗取りパッド)
  11. 合い掛けの羽毛布団が活躍する季節
  12. 寝具での寝汗対策


1 件のコメント :

  1. 初めまして、馬毛はどちらで販売されていますでしょうか?
    宜しくお願いします。

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