ミソノ刃物 UX10の牛刀とペティナイフ 切れ味の良い洋包丁の選び方

包丁は大きく「和包丁」と「洋包丁」に分けられます。
ここでは主に一般の家庭で使用する包丁の選び方について紹介しています。

ミソノ刃物のUX10シリーズ

ミソノ刃物のUX10シリーズの洋包丁を使っています。
ミソノ刃物は岐阜県関市にある包丁メーカーで、いくつかのシリーズがありますが、私の使っているUX10シリーズは、スウェーデン高純度ピュアステンレス鋼を使用したモデルになります。鋼材の硬度は59~60くらい。研ぎやすく刃を付けやすいとの評判やプロの料理人も使っている人が多いということでこの包丁を選びました。

他の候補として迷ったのはZwilling J.A. Henckelsのツインセルマックス M66 シェフナイフとラージペティナイフ。ZDP189という鋼材で粉末冶金法によって製造されていて硬度が66とステンレス系の鋼材では最も硬度のある材料です。ただ、高価である上に研ぎにくいとか欠けやすいといったデメリットがあったり家庭用でそこまでの硬度が必要なのか疑問だったこともありミソノ刃物のUX10シリーズを選ぶことにしました。

ミソノのUX10ですが21㎝の牛刀と15㎝のペティナイフを持っていますが、良く使うのは15㎝のペティナイフ。
牛刀だと18cm、ペティナイフは13cmから15cmが扱いやすいと感じましたが、ペティナイフを15cmにしたので、牛刀はちょっと長いなと思いつつ21㎝のものにしましたが長いとやっぱり扱いずらく、洋包丁を使う場合ほとんどの作業をペティナイフで行っています。

安価なステンレス系の包丁は切れ味が悪いものが多く研いでも切れ味があまり良くなりません。そうした包丁と比べるとこのUX10の切れ味は段違いです。料理をしていて切れ味が悪いなと思うことはあまりありません。特にプロに研いでもらった後は切れ味が戻り、料理をすることが楽しくなります。自分で研いでもまあそれなりに戻るのですがやっぱり全然違います。

洋包丁の種類

「洋包丁」には、文化包丁、三徳包丁、牛刀、ペティナイフ、パン切り包丁などがあります。その他には、筋引き、洋出刃などもありますが、一般家庭ではあまり使われていません。
洋包丁の特徴は、
  • 両刃なので真っすぐに切り下せる
  • 錆に強い
という点です。

洋包丁はステンレス系の素材が使われていることから錆に強い包丁といえます。この錆への強さが洋包丁が一般の家庭に普及した(和包丁があまり使われなくなった)要因といえます。

洋包丁のメーカー

ZWILLING J.A. HENCKELS、貝印(関孫六)、吉田金属工業(GLOBAL)、ミソノ刃物などが有名です。
和包丁で有名な「有次」、「正本」、「木屋」でも牛刀やペティナイフを扱っています。

よく切れる包丁

料理にはよく切れる包丁が欠かせません。
野菜や肉を切るという行為は、切れ味の悪い包丁でも極端なことを言えば料理バサミでもある程度はできます。
ただ、切れ味の悪い包丁で作った料理は美味しくありません。

玉ねぎをみじん切りにしたり、皮付きの鶏肉、トマト、カボチャなどを切ると、よく切れるかどうかがわかります。
また、ダイコンやニンジンなどの切り口でもわかります。よく切れる包丁で切ると表面がすっとしています。実際に調理して食べた際にもこうした違いはよくわかります。(細胞を壊さずに切ると良いといった話です。)

切る技術も重要ですがよく切れる道具を使ってこそ技術が活きるわけで、道具選びは大切です。

切れやむ

どんなによく切れる包丁でも永遠にその切れ味を維持することはできません。
切ることにより刃先が摩耗し丸まってしまうと切れ味が鈍ります。
なので包丁を「研ぐ」必要がでてくるわけです。

まな板の話で、よくプラスチックと木製が比較されますが、プラスチックのほうが衛生的ではありますが、刃先は摩耗しやすいといわれています。

洋包丁の研ぎ

両刃の洋包丁は片刃の和包丁と比較すると研ぎが難しいといわれています。
家庭用の包丁はそんなに使用頻度が高いわけではないので、専門のお店で定期的に研いでもらっても構わないと思います。
研ぎについては別の機会に書きたいと思います。

洋包丁に使われている鋼材の硬度

洋包丁に使われるステンレス系の鋼材は和包丁と比較して硬度が低く、切れ味もそれほど良くないとかつてはいわれていました。

しかし、最近の比較的高価な洋包丁は、ステンレス系の素材の持つ良さ(さびにくさ)を活かしつつ、硬度の高い素材を使用しているため、「よく切れる」ことと「錆びにくさ」を両立した作りになっています。ただし、ZDP189のような非常に硬度が高い鋼材だと家庭で研ぐといったことは難しいといったデメリットもありますのでそのあたりも購入の際に検討したほうが良い点かもしれません。

これらの素材のデメリットには上述した価格の高さがあげられます。下記にあるようなステンレス系の鋼材をつかった包丁は高価です。安くても1万円程度、例えばZDP189を使用した高価なものだと3万円以上します。

ロックウェル硬度
工業材料の硬さを表す尺度の一つで記号はHRです。
日本工業規格では JIS G 2245 でロックウェル試験が規定されています。

日立金属

  • ZDP189 HR65以上
  • 銀3    HR59以上
  • ATS34     HR59以上
YSS高級刃物鋼(PDF形式)(日立金属)

武生特殊鋼材株式会社

  • V金10号 HR60以上
V金10(VG10)(武生特殊鋼材)

その他

UX10 スウェーデン鋼
ミソノのUX10シリーズで使われている鋼材
硬度HR59-60

包丁の選び方

使われている鋼材、包丁としての完成度、プロが使っているものかどうかなどの観点でいろいろ調べてみて、そのあと実際にお店に足を運び選ぶのが良いと思います。
洋包丁の場合、安価で良い包丁というのはあまり見当たらないように思います。1万円を超えたあたりから切れ味が良く完成度の高い包丁が増え選択肢の幅が広がるように思います。

私は硬度、研ぎやすさ、粘りなど包丁としてのバランスが良いと評判だったミソノのUX10シリーズの牛刀とペティナイフを使っています。和包丁ほどの切れやすさはありませんが家庭で使うにはこれで十分だと思っています。

参考