JOHN SMEDLEYといえば Sea Island Cotton(海島綿)
ジョンスメドレーといえば、 Sea Island CottonやMerino Woolを使ったポロシャツやカーディガンなどのニットウェアメーカーとして昔から知られています。ジョンスメドレーでは、コットンにはSea Island Cotton(海島綿)と呼ばれる綿が、Merino Woolにはニュージーランドの南島の繊維径が18~19μm程度のウールが使われています。
Sea Island Cottonは、西印度諸島(南北アメリカ大陸に挟まれたカリブ海域にある群島)で栽培されている綿のことで、「絹のような光沢、カシミアのような肌触り」と形容されることもあるようです。
Sea Island Cottonの特徴としては以下のようなものがあります。
- 平均繊維長が長い
- 繊維1本1本に天然の撚り(ねじれ)が多い
- 繊維の中空部をとりまくセルローズ質が肉厚
- 反射度が高く、油脂分も綿の中で高め
2つ目と3つ目のの特徴は吸湿性
4つ目の特徴は光沢感
と関係します。
耐久性、吸湿性に優れ光沢感のある綿ということですね。
ジョンスメドレーのSea Island Cottonのポロシャツの使用感
Sea Island Cotton(海島綿)ですが、柔らかく肌ざわりも良いことが一番の特徴。手触りはさらっとしつつ繊細。ふんわりしていて肌に優しい着用感です。耐久性がなさそうな繊細なところはあるけど丁寧に扱えば長期間着用することができます。
ジョンスメドレーの特徴は、ニットとしての完成度の高さです。
安価なニット生地だと生地の厚みが極端に薄かったり厚かったりしてバランスが悪かったりします。薄いと透けてしまい安っぽい感じがするし、厚みがある場合は安物のウールが使われていて、そういうものだとチクチクしたりごわごわしりと使用感がかなり悪かったりします。そういうバランスがジョンスメドレーは上手です。
ジョンスメドレーのもう1つの特徴になるのですが、ポロシャツでもカーディガンでも言えることだけどデザインがとてもベーシックなところ。これといった特徴はないんだけど、飽きることもなく上質な日常着といった感じですね。
ベーシックなものを得意としているのか会社としての息もとても長く設立はなんと1784年だったりします。
まあ毎年変わった柄物とか出していデザインに凝ってみましたみたいなニットもありますが、デザイナー系のブランドのほうがそういうのはずっと上手だし、こんなの売れるのみたいなデザインのものも時々あります。
そういったものは置いておくとして、ここの定番ものはお勧めです。
ベーシックなデザインでそこそこの質の日常着が欲しいという私の希望ともマッチしていることもあり、はじめて購入してから10年以上はゆうに経ちましたが、今でもときどき購入しています。
品質も多少は毎年異なるとは思うけどそこまで気にならないです。
欠点は、綿にしては値段が高めでコストパフォーマンスが悪い点。
Sea Island Cottonのニットは、セールで安くなっているときに購入することが多いです。
セレクトショップや百貨店などいろんなところで取り扱いがあります。
シルエットは同じ型番のものでも、数年ぶりに購入すると少し変わったのかなって思うことがあります。ただ、極端な変化はないといえばないのですが試着して購入するのが無難です。
そんな、Sea Island Cottonのポロシャツですが主に活躍するのは春から秋にかけて。
気温でいえば最高気温が25℃~28℃くらいの時期にジョンスメドレーの半袖のポロシャツがよく活躍します。
最後にメンテナンスですが、ポイントだけ簡単に。
基本手洗いまたは手洗いコースでの洗濯。
乾燥は日陰で平干し。面倒だけどちゃんと扱うと型崩れを防ぐことができます。
アイロンをかける場合は乾く直前で温度は中くらいでアイロンをかける。
綿( Cotton)の基礎知識
Sea Island Cottonも含め、綿の特徴について知っているとメンテナンスや保管の際に役立ちます。産地や同じ産地でもランクがあって違いがあるといえばあるのですが、綿としての基本性質は共通しています。
有名な綿というと、アメリカのスピーマ綿、エジプトのギザ綿(ギザ45、ギザ70、ギザ88)、中国・新疆ウイグル自治区の新疆綿などがあります(所謂世界三大綿)。いずれも綿の平均繊維長が長いことが特徴です。これにSea Island Cottonを加えた4つが良く知られているのではないでしょうか。
ちなみに繊維の平均の長さが35mm以上の綿は超長綿と呼ばれています。
利点
- 肌触りが良い。
- 吸水性が良い。
- 熱に強くて丈夫。
- アルカリに強い。
- 水に濡れることで強度が増し洗濯に強くなる。
- 吸湿性が良い。
欠点
- 皺になりやすい。
- 水に濡れると地の目方向に縮む。
- 乾きが遅い。
- 日光に当たると黄変する。
- 強い酸に弱い。
綿の加工
ここもポイントだけになっていますが加工についてです。ワタの種子についたままの綿毛のことを実綿といいます。
実綿は、綿繰り機(コットン・ジン(cotton gin))で綿繊維を種子から分離します。
ginはengineの略。種子は油、プラスチック、牛、化粧品などに使われます。
繰綿されたものを原綿(リント)と呼びます。
原綿(リント)の量は、実綿に対して約35%程度になります。
その後一旦糸くずを分離し、輸送のため圧縮され詰められます。
その後、品質の評価を行います。
品質は最終的な販売価格に大きな影響与えます。
等級分けのためにサンプルが取られ、クラスが高いほど価格が高くなります。
評価の基準は、色等級、繊維長、繊維の径、強度およびゴミの量などからなります。
その後、紡績工程を経て、綿糸が製造します。
更に、洗浄、漂白、ガス処理(毛状繊維表面を除去)、マーセル化(Mercerising)(日本ではシルケット加工と呼ばれている)、染色などの工程を進みます。
参考
- 西印度諸島海島綿協会(西印度諸島海島綿協会ウェブサイト)
- How To Care(日本語)(JOHN SMEDLEYウェブサイト)
- How to Take Care of Cotton Polo Shirts(英語)(JOHN SMEDLEYウェブサイト)